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子どもの読書・本の選び方

子どもが好きな本しか読まないとき——興味を大切に、読書の幅を広げるには

恐竜の図鑑から、発掘や物語の世界へ想像がつながる子どものイラスト
好きな本を手がかりに、新しい本の世界へ。
この記事の目次
  1. 今の楽しみを残して、選べる本を増やす
  2. 好きな本の、どこを楽しんでいるかを手がかりにする
  3. 三つの方向から、次に試す本を探す
  4. 候補を見比べるときのポイント
  5. 勧めても読まないときは、変える点を小さくする
  6. 親だけで本を選び続けなくていい
  7. 家族以外の人と読む方法を、試すこともできる

お子さんは本を楽しんでいる。でも、手に取るのは好きな種類ばかり。親が選んだ本は、置いたままになっている。「好きなものを読めばいい」と思いつつ、ほかの面白さにも出会ってほしい。そんなとき、どこまで勧めてよいのか迷いませんか。

そんな時は、お子さんが今はまっているジャンルの本を楽しむ時間を残したまま、新しい世界につながる本を1冊探してみてください。お子さんの読みたがるものを一気に変えようとせず、好きな題材や作者を手がかりに、まだ読んだことのない本を探す方法です。この記事では、候補の探し方と選び方、勧めても読まないときの対応を紹介します。

今の楽しみを残して、選べる本を増やす

中部電力きずなネットが2026年に実施した読書習慣アンケートの公開自由回答にも、好きなジャンル以外を手に取る機会を作りたい、図鑑を好む子に物語を読んでほしい、という保護者の方の声があります。ただし、掲載された個別の回答であり、すべての家庭に共通する悩みではありません。調査記事

親はほかの本にも出会ってほしいと思い、子どもは好きな本を楽しんでいる。新しい本を勧めるときは、この二つを両立させる方法を考えてみましょう。好きな本を読む時間を減らさずに、別の本も手に取れるようにしておくのです。

親が手伝えるのは、お子さんが選べる本を増やすことです。「これも読んでみる?」と渡し、その日に読むか、途中で閉じるかは子どもが選べるようにします。最初は気になるページを見るだけでも構いません。親が勧めた本を、すぐに最後まで読んでもらおうと考えなくてよいのです。

好きな本の、どこを楽しんでいるかを手がかりにする

同じ動物の図鑑でも、写真を何度も見ている子と、体の仕組みの説明を追っている子では、次に試す本の候補が変わります。物語も、登場人物が好きなのか、先の読めない展開が面白いのかで、つながる本は違うでしょう。

お子さんが本のことを話してくれたら、何が好きなのかを聞いてみます。お子さんが好きな理由を話さなくても、よく開くページや自分で選ぶ本から、次の候補を探せます。例えば、写真を何度も見ている、特定の場面を読み返す、といった様子がヒントになります。

親から声をかけるなら、例えば「そのページ、よく見ているね。どこが面白い?」と聞いてみてください。返事が短ければ、その日はそこで終えて構いません。お子さんがまた本の話をしたくなったときに、耳を傾けてみてください。

何が好きなのか少し分かったら、その興味を残しながら、題材や本の形の一部を変えてみましょう。次の三つの探し方から、お子さんの関心に近いものを試してみてください。

何度も開くのは、どんなページ?

架空の恐竜図鑑に骨格と足跡が描かれ、しおりとルーペが添えられている。
何度も開くページから、お子さんの関心の手がかりを探せます。

三つの方向から、次に試す本を探す

本を探すヒント「好き」からつながる、3つの方向
お子さんが好きで読んでいる本よく開くページが手がかり
題材を残す

本の形を変える

恐竜の図鑑から
発掘の写真の本へ

つながりをたどる

作者や舞台で探す

好きな物語から
同じ作者の別の作品へ

疑問を手がかりに

別の棚をのぞく

物語の食べ物から
暮らしを紹介する本へ

どれか一つ、近そうな方向から。読む順番や発達の段階を表す図ではありません。

1.好きな題材を残して、本の形を変える

恐竜の図鑑をよく見るなら、すぐ長い物語へ移る必要はありません。化石を見つける仕事を写真で紹介した本、発掘の過程が分かる漫画、恐竜が登場する短い物語など、同じ題材の別の形を候補にできます。

選ぶときは「恐竜」と書いてあるだけで決めず、中のページも見てみます。細かな名前を知るのが好きなのか、大きさを比べるのが面白いのか。お子さんの関心と重なるページがあれば、そのページから新しい本を紹介できます。「この骨を見つけた人の話が載っていたよ」と、一つだけ紹介してみる方法もあります。

2.好きな作品との共通点から探す

特定の物語が好きなら、その作者の別の作品を図書館で探す方法があります。ほかにも、同じ人が挿絵を描いた本、好きな物語と舞台が似ている本、同じような謎が出てくる話なども候補になります。

ただ、作者が同じでも対象年齢や文章の長さは異なります。対象学年は目安にしながら、実際のページも確かめましょう。見比べるポイントは、三つの探し方のあとに紹介します。

3.本の中の一つの疑問から、別の棚へ行く

お子さんが物語を読みながら、登場する昔の暮らしや食べ物に興味を持つこともあります。そんなときは、当時の暮らしの写真や道具の絵が載った本を一緒に探す方法もあります。物語の続きを楽しんでいるなら、読み終わってから探してもよいでしょう。

逆に、説明文の中で知った生き物が登場する物語へ進むこともできます。知識の本から物語へ、物語から歴史や科学へ。図鑑の次は必ず物語、という順番を決めず、お子さんが気になったことを扱う本を探してみます。疑問が出なければ、前の二つの探し方を使えます。

候補を見比べるときのポイント

気になる本が見つかったら、借りたり買ったりする前に、候補の目次と中のページを見てみましょう。お子さんが読み始めやすそうか、文字の大きさや一文の長さ、説明の多さ、絵の入り方を見てみましょう。たとえば化石の本なら、写真で発掘の順序が分かるものも、文章で学説の違いを説明するものもあります。同じ題材でも、読み始めるときの負担は違います。

お子さんと一緒に選ぶなら、気になるページを開いてみてください。知らない言葉が続くのか、絵を見れば何の話かつかめるのかを一緒に確かめます。理解したかを試験のように聞く必要はありません。お子さんが説明の内容を知りたがっていても、自分で読むのは大変そうなら、その箇所だけ親が読む方法もあります。親にも余裕がなければ、別の本を探すか、今回は見送って構いません。

表紙だけでなく、中のページも比べる

化石の大きな図版、発掘の連続画、図版と説明の罫線を持つ架空の3冊が同じ大きさで並ぶ。
同じ化石の題材でも、ページの見え方はさまざま。絵や写真の入り方、文章の量を見比べてみましょう。

勧めても読まないときは、変える点を小さくする

せっかく探しても、お子さんが新しい本を読まないことはあります。そんなときは、本の内容に加えて、疲れていないか、読みかけの本を先に楽しみたいのか、といった様子も見てみましょう。毎回すべてを確かめる必要はなく、気になる点を一つ見るだけで十分です。

全部を点検せず、気になる点を一つ。

勧めても読まないときの見直し方
見直す点 試せること
題材そのものに関心がなさそう 好きな本との共通点を見直す。恐竜なら何でも好き、とは限らない
内容は気になるが、文が難しそう 本人が望めば気になる箇所を読んで聞かせる。同じ題材で短い説明の本も探す
今読んでいる本を続けたい 新しい本は手に取れる場所に置き、今の読書を中断させない
疲れている、時間が合わない 寝る前で疲れているなら、その日はやめる。別の日に余裕があれば、短い箇所を一緒に見る

子どもがはっきり理由を言えるとは限りません。「今回は置いておこう」として、また関心が向く時を待つ方法もあります。後で手に取ることも、最後まで読まないことも、どちらもありえます。

また、新しい本のあとに必ず感想や要約を求めると、読むことに別の課題が加わります。家庭で楽しみを広げたいときは、開いたページを一緒に眺めるだけでもよいでしょう。子どもから本の話が出たら聞き、一人で読みたがっていれば、その時間を残しておきましょう。

親だけで本を選び続けなくていい

ここまで家庭での探し方を紹介しましたが、親だけで毎回候補を探すのは大変です。選書に迷ったら、家族以外の人の力も借りられます。図書館では、本の探し方を職員に相談できます。たとえば、今読んでいる本の題名と、よく見ているページ、長い説明はまだ大変そう、といったことが分かれば、相談の手がかりになります。千代田区立図書館の案内

相談の例は、「この図鑑の写真をよく見ています。同じ生き物が出てくる、短めの読み物はありますか」。子どもに合うかまだ分からない本も、借りて試す方法なら、まとめて買いそろえる必要がありません。各館の蔵書やサービスによって対応は異なります。

図書館が作る本のリストも使えます。島根県立図書館の小学生向け目録は、文学に加え、知識を深める本も紹介しています。リストを「この学年なら全部読むべき本」と見るより、まだ知らない候補を見つけるために使ってみてください。おすすめしたいこどものほん

お気に入りの本を、相談の手がかりに

架空の図書館カウンターで、開いた本のページを指す手と、本棚の方向を案内する手が描かれている。
気に入っている本やページを、図書館での相談の手がかりに。対応は各館で異なります。

家族以外の人と読む方法を、試すこともできる

本を選んでも、お子さんが一人では読み始めにくい場合は、誰かと一緒に読む方法もあります。大人が言葉の意味を補ったり、気になる場面で立ち止まったりしながら読み進める方法です。図書館のおはなし会や、本を一緒に読む教室などです。参加前には、対象年齢と扱う本に加え、聞いて楽しむ会なのか、順番に音読や発言をする場なのかも見ておくと、お子さんがどのように過ごす場なのかを想像できます。

名著探究は、講師や仲間と本を読むオンラインの読書ゼミです。名著探究では、クラスのレベルや興味に応じて授業の本を選び、現在・次回の教材をクラスごとに案内しています。その本を一緒に読み、気になる言葉や疑問に立ち止まり、本文や資料へ戻って確かめながら進めます。

家庭で次に読む本を探す際には、ここまで紹介した探し方や図書館への相談を使えます。教室の授業を検討する場合は、そこで扱う本と読み進め方を見て、家族以外と一緒に読む時間を試したいか考えてみてください。

ただし、参加すれば必ず読む本が増えるとは約束できません。一人で読む時間が合う子もいます。教室を検討する場合は、本の難しさ、進む速さ、家での準備、保護者の方の手助けがどの程度必要かを、実際の授業内容と体験で確認してください。名著探究の体験は有料です。料金や日程は現在のサービス案内で確認できます。

お子さんが今好きで読んでいる本には、次の本を探す手がかりがあります。よく眺める写真や読み返す場面が分かれば、同じ題材を別の形で扱った本などを探してみてください。親は新しい本との出会いを用意し、子どもは読む本を選ぶ。いつもの本を楽しむ時間を残しながら、まだ知らない本を試せる機会をつくっていきましょう。

講師や仲間と読む時間を、検討している方へ
名著探究の授業紹介で、扱う本と読み進め方を確かめてみてください。クラス選びや家庭での準備で迷う点は、メールでお問い合わせいただけます。
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